ジゴクノハナシ×アカネアゲハ
18世紀中頃、吉原に遊郭ができた当初、ある満月の夜に双子の姉妹が産まれた。
元々、裕福ではなかった夫婦の家に産まれた双子は、
貧しいながらも愛され、幸せにあふれていた。
しかし、幸せな日々はそう長くは続かなかった。
幼い子を二人も育てるのは、若い夫婦にとって想像以上に大変なことであったのだ。
次第に喧嘩が耐えなくなった夫婦は、二人を里親にだすことにした。
こうして姉の蒼(そう)と妹の紅(べに)は物心つく前に別々の家に引き取られていったのだった。
蒼と紅の身体には大きな痣があり、
それは年を重ねるにつれ大きくなっていくのであった。
姉妹は、お互いの存在を知ることは無く、
それぞれ引き取られた里親の元で美しい女性へと成長していった。
ある満月の夜、蒼は今までに見たこともない美しい蝶を見た。
その紅い蝶に誘われるように、森の奥へと入っていく蒼。
深い森を抜け、たどり着いたそこは遊郭であった。
紅い蝶を見失った蒼が、ふと振り返ると一斉に紅い蝶が舞い立った。
蒼がそこで見たのは、花魁道中であった。
生まれて初めて見る花魁道中に目を奪われ、蒼はその場を動けなくなった。
胸元に美しく大きな紅い蝶のある花魁と視線が合った時、
蒼は胸の痛みに耐えきれずその場に崩れ落ちてしまった。
目が覚めた蒼は、明け方の森の中にいた。
ふと目をやると、小さな頃から腕にある青い蝶のような痣が大きくなり、
更に痣が広がっていた。それはまるで紅い蝶のような、、、、
いかがでしたでしょうか。
片目を失ったアカネアゲハのもう一つのストーリー
美しく脆く儚い蝶のように
あなたも自分だけの物語に
いつの間にか入り込んでいるかもしれませんね、、、、
To Be Continued